雑記 7minutes
▪️飼育する頭数について、、。
Q:牛の頭数を増やさないのですか?
(お肉を増産しないのですか?) と質問されることがあります。
A:牛の頭数は自給牧草の生産をベースに考えています。従って牧草地の面積に比例した頭数となり現在の牧草地の面積約15haでは約40頭がうちの牧場の適正頭数となります。これ以上の頭数を飼育するとなるとその分は海外から飼料を購入することになりますから私たちの牧場では現在増頭は考えていません。
※ちなみに15haの牧草地は最大で3回転しますので、収穫面積は最大で約45haとなります。
▪️輸入飼料について、、。
現状では輸入飼料無しでは私たちの牧場経営は成り立たず、子牛(生まれてから約10ヶ月)に
与える餌はほぼ100%が輸入飼料となります。そして販売した子牛は肥育農家さんの元へ送り出します。
繁殖牛として育成していく子牛はここから徐々に円山川牧草を与えて行きます。
成牛(繁殖牛)はステージによる違いはありますが、1日に円山川牧草を約8キロ、配合飼料1キロ
合計約9キロを与えますがその内の約5,5% 500gが輸入飼料になります。
▪️円山川牧草
円山川の河川敷で自給する牧草を私たちは、円山川牧草と言っています。
繁殖牛は1日約8キロを食しますから年間では約3トン、10年で約30トンを食べることになります。
せっかく沢山の円山川牧草を食べた牛たちを、自分たちの手でお客様へお渡ししたいと考えて
お肉の販売をする様になりました。
但馬牛と名のつく牛に但馬の餌を食べさせるのはとても良い事だと考えています。
▪️エコフィードについて。※エコフィードは全て繁殖牛と肥育用の牛の餌になります。
①おからは主に蛋白源として2004年から給餌を始めました。
今年で17年目になり今では一番長く使っているエコフィードになりました。
②酒粕は地元の酒蔵さんから頂くものと、近隣府県の酒蔵さんから頂く機会があり主に肥育牛へ
与えています。ビール粕もそうですが、芳香が牛たちには堪らない様で準備をするとヨダレだらだら
でざわざわする人気のメニューです。笑
③ビール粕 おからと同じく2004年から使い始めましたが、、こちらは2020年3月で使用をやめました。
観光客の増加で引き取り数量が増加したのと、体力的に無理になってきた事で泣く泣くお取引を
辞めることにしました。酒粕同様にとても大人気のメニューでした。
▪️(言葉編)「理想に生きなければ真に生きたとは言えないのではないか」
この言葉はある勉強会で講師先生が語られた言葉で、それ以来机の前に張り付けてある様な言葉です。
この言葉のおかげで再々の軌道修正を行いながら進めていると思っています。
自分の中に「理想」がある以上はできる範囲で目指していきます。笑
〜但馬牛を但馬の餌で育てるぞ!
▪️環境問題について。
環境問題については沢山の利権が絡みあい、いったい真実はどこなのか?
と疑問に思うことが多々ある。温暖化説もあるが、、同時に氷河期説もある。
大きな視点も大切だけど、ミクロな視点も同じかそれ以上に大切だと思う。
例えば、未利用の農地を活用すること。未利用の資源を活用すること。牧草地を適正管理すること。
糞尿を適正に堆肥にし農地へ還元すること。ゴミを拾う事。 今できる事を積み重ねながら、、
マクロな視点とミクロな視点を忘れずに進みたいと考えています。
▪️フェイクミートについて。
2020年12月に日清食品と東大の培養肉の共同研究のニュースを知りました。彼らの想定では2040年に
フェイクミートのシェアが全世界で50%以上になるとのこと。
実際にはわかりませんが、あながち笑える話ではない気がします。
100年後も但馬牛は健在であると思いますが、、環境問題等を考えるとフェイクミートも徐々に市民権を
獲得してくるかもしれませんね。
▪️トウモロコシについて。
キング・コーンというドキメンタリー映画(2007年)を観て衝撃を受けました。 アメリカで生産されているデントコーンというトウモロコシは飼料用の品種で、私たちが一般的に食べているスウィートコーンとは違いますが、このデントコーンはエタノール燃料になったり甘味料の材料なって清涼飲料水や多くの食品に果糖として添加されています。そして鶏や豚、牛の餌となり牛肉や牛乳の原料つまり餌となっています。心配なのは作物の管理をしやすくする為にトウモロコシの遺伝子の組み替えが行われている事、農薬が大量に使用されている事、化学肥料が大量に使用されている事。色々と考えさせられる内容です。なので、うちの牧場では2010年以降トウモロコシの使用率を90%以上カットしています。今年(2021年)からは製粉機を導入して米粉の生産も始めたのでさらにトウモロコシをカットできると思います。〜経済性最優先から安全性最優先にシフトしていく事が必要です。
▪️文責:綿田けん
(こちらのページを通じて私たちの
philosophy(考え方)を知って頂けると幸いです。)